高齢の患者さんが多い薬局の場合、薬の受け取りに代理の方がいらっしゃることも少なくないと思います。
ご家族やヘルパーの方など立場も様々ですが、このような場合はどんなことに注意をすればいいでしょう。
代理の受け取りは高齢者の増加に伴い、今後ますます増えてくるでしょう。
どんな状況でも落ち着いて対応できるようになりたいですね。
代理の方がいらっしゃった場合、まず確認したいのが患者さんとの関係性です。
患者さんと同居しているのか、患者さんの状況をどれくらい把握しているのか、看病や介護に直接関わっているのかなどを確認するようにしましょう。
患者さんの容態をほとんど把握しておらず、ただ受け取りに来ただけという場合は詳しく説明をしてもかえって迷惑になるかもしれません。
患者さんや看病している人に正しく情報が伝わる可能性が低いと思われる場合は、必要最低限の伝達にとどめ、わからないことがあればいつでも相談して欲しいと伝えるといいでしょう。
看病や介護に直接携わっている人が代理の場合は、患者さんの周囲の人に理解をしてほしい情報をしっかり伝えます。
たとえば薬を飲み忘れた時の対応や飲み方などの注意点など、代理の方でもわかるように理解しやすい言葉を選びましょう。
代理の方にとっては、患者さんの廟行きや薬についてわからないことを知る貴重な機会でもあります。
一方的に説明するのではなく、伝えた情報が正しく理解できたかどうかも確認しながら話を進めましょう。
薬剤師の仕事は、薬を渡したら終わりではありません。
服用後のフォローも含めて、ご家族や代理の方に正しく理解してもらえるように心がけます。
対応中は代理の方の表情や態度の変化に注意することも大切です。
うつむいたり顔をそむけたり声が小さかったりすれば、わからないことがある、薬を飲んでいないことを隠している、、聞きたいことがあるけど我慢しているなどの言葉にならない気持ちが推測できます。
そんな時は「何か気になることはありますか」と水を向けてみましょう。
医師には聞けなかったけど薬剤師になら聞けるかも、という方も必ずいるはずです。
困った時に頼ってもらえる薬剤師に
一通りの説明が終わった後、薬のこと以外でも何かに気なることはないですか?と声をかけたり、見送りの時にわからないことがあればいつでも連絡してくださいね、と一言付け加えることで言われた方も話しやすくなります。
一方、代理人がベテランの看護師さんであれば、患者のことも薬の飲ませ方も実際に患者と接している私の方が詳しいとばかりにいなされて、話をすることすらままならない場合もあります。
それでも少しでもお役に立てることがあるならいつでもご相談くださいという意思表示は続けましょう。
万が一トラブルが起こった時に「あの薬剤師さんに聞いてみよう」と思い浮かべてもらえるきっかけになります。
1000人、2000人と声をかけ、最初のうちは1人でも役に立てたら大成功です。
いざというときに支えになる。
それこそが地域医療の一員として薬局、薬剤師が果たすべき使命だと思います。