急いでいる患者さんから「薬の説明はいらない」と言われると、とっさの対応ができない。
薬を渡す時に重要なことだけでも伝えられればと思っても対処できない。
そのようなことで困っている薬剤師さんもいると思います。
急いでいるから説明不要という患者さんはどの薬局でも相当数いると思います。
とはいえ「そうですか、わかりました」と何も説明せずに渡すのはちょっと問題です。
特に処方変更で説明が必要な場合は困ります。
そこで「急いでいる」といわれたら、まずは「お急ぎなんですね、わかりました」と共感の言葉を返します。
共感することは相手を認めている、あなたの要望に応えたいと伝えることでもあります。
人は自分を認めてくれた人に対して、安心や信頼を感じやすいもの。
共感の言葉によって、次のアクションが受け入れやすくなります。
新しい処方の説明や副作用などを確認したい場合は、説明にかかる時間を具体的に提示して少しでいいから話をさせて欲しいとお願いしましょう。
たとえば新しい処方であれば併用薬の確認や服用方法の説明などいくつか質問することになりますから新しく出たお薬の説明のために3分だけお時間をいかだけませんか、といった具体です。
前回から新しくなった薬であれば、服用状況や副作用の有無を確認するために、1分だけ確認させてくださいと頼んでみましょう。
「1分で済みます」と言われたら、多くの患者さんは「仕方ない、1分だけ」と聞いてくれるものです。
くれずれも説明するのが当然という態度をとらないようにしましょう。
薬物治療がスムーズに進むように説明させて欲しい、と謙虚な気持ちでお願いをします。
1分だけ、と応えてくれたらありがとうございますと伝えてから手短に要件を伝えましょう。
いくらお願いしても「本当に急いでいるから無理」という患者さんもいると思います。
そんな時は「わかりました。ただお伝えしないことがあるのであとでお電話させていただいてもよろしいでしょうか」と尋ねてみましょう。
後から電話されるのが面倒な人であれば「それなら今すぐ話して」というでしょうし「じゃぁ、○時頃自宅に電話して」と言う人もいると思います。
電話すると決まれば、電話番号を忘れずに確認しましょう。
投薬前の準備で時短する方法
処方箋を預かる時に「急いでいるから」と言われれば、投薬の前にあらかじめ質問や説明する項目を準備してから投薬に向かいます。
この姿勢で常時臨れば、カウンターで患者さんを呼んだその場で「急いでいる」と言われてもそう慌てずに済みます。
例えば監査の段階で説明が必要な項目を頭に入れ、患者さんとのやり取りをイメージします。
薬歴も過去までさかのぼってチェックして、確認漏れがないようにします。
このように事前準備が整っていれば、いつでも落ち着いて対応できるはず。
普段から時間をかけずに適切な説明をして薬を確実に渡すことを意識して行動しましょう。