クリニックの医師から患者さんへの在宅訪問を依頼された。
患者さんのお宅に訪問するにあたって薬剤師が気をつけておきたいことはなんでしょうか。
在宅業務は今後ますます増えてくると思います。
少しでも訪問マナーに不安があれば、そちらが気になって本来の業務に集中できなくなるかもしれません。
しっかり基本を身につけて、落ち着いて訪問できるようになりたいですね。
まず出発前に気をつけたいのが身だしなみ。
白衣を着ていくことが多いと思いますので、できるだけきれいで清潔なものを選びましょう。
ボタンが取れていないか、ホールペンやマジックのシミが目立たないかなどもチェックしましょう。
ポケットに色々なものを詰め込んでいる場合は、必要最低限のものだけにしてそれ以外のものは取り出します。
調剤室で使うことの多いハサミやカッターなどの刃物類は特に気をつけましょう。
また名札の着用も忘れずに。
名札がまっすぐついているか、患者さんからよく見える位置についているか、患者さん目線でチェックします。
小児科の処方箋を多く取り扱っている薬局などでは、名札にシールを貼ったりマスコットをつけたりしている方を見かけることもありますが、名札の本来の意味を考えてシールやストラップははずしたいところです。
また見落としがちなのが靴下。
来訪者の足元は意外と目につくもの。
患者さんのお宅を訪問する機会が多いのであれば、とっさのときのためにロッカーに清潔な替えの靴下を常備しておくといいでしょう。
笑顔と元気な挨拶は基本
到着したらインターホンを推し「こんにちは、〇〇薬局の〇〇です」と薬局名と名前をしっかり名乗ります。
最近はカメラ付きのインターホンも多いので、名乗る時はしっかり笑顔を意識します。
冬のコート着用の時期はインターホンを押す前に脱いでおきます。
真夏で汗をかいている場合は汗を拭き、一呼吸入れてからインターホンを押しましょう。
基本的にはお家の方が出てくるまで扉の前でそのまま待機します。
繰り返し訪問しているお宅で、お互いに信頼関係ができているケースは別ですが「インターホンを鳴らしたから」と扉を勝手に開けて入るのは当然マナー違反です。
患者さんやご家族の方が出てきたらもう一度「〇〇薬局の〇〇です、よろしくお願いします」と改めて挨拶しましょう。
靴はドアを入ってそのまま脱ぎ、玄関に上がってから膝をついてドアのほうに向けて揃えます。
患者さんの部屋に入る時はノックを忘れないようにしましょう。
「こんにちは、〇〇です。お加減いかがですか?」とあらためて挨拶します。
誰が来たのかわかるように患者さんに声をかけましょう。
在宅業務が薬局と異なるのは、看護師やケアマネージャーといった多職種の人と顔を合わせる可能性があります。
チーム医療の仲間として医療者間でもしっかり挨拶をしましょう。