薬局に勤めている薬剤師が少ない場合、時間帯によって患者さんをお待たせすることがあります。
中には「いつも時間がかかるね」と不満を言われることも。
そのような経験をした薬剤師も少なくないと思います。
待ち時間の問題は病院や薬局にとって永遠の課題と言えるでしょう。
どんなに急いで作業をしても込んでくれば必ず待ち時間は生じます。
医療者側も好きこのんで待ち時間をつくっているわけではないので愚痴や嫌味を言われたら「こんなに急いでいるのに」「混んでるんだから仕方ない」と思ってしまいがちです。
しかしこれはNGです。
患者さんを待たせていることは事実ですから「お待たせして申し訳ない」という気持ちで接するのがマナーです。
特に自分自身も忙しい思いをして大変だと感じているところに患者さんから「早くして」と急かされると「私だってがんばってるのに」という苛立ちが表情や態度に出てしまうこともあるので十分に気をつけましょう。
待ち時間対策のポイントはできるだけ患者さんに不快な思いをさせないようにすること。
不満が出てから対処するのではなく。患者さんが不満に感じる前にそのような気持ちにさせないように工夫しましょう。
例えば待ち時間がどれくらいかかるかわからないままただ待たされる状況では、人は不安を覚え不満やイライラ、ときには怒りを募らせます。
そこで待ち時間が長くかかりそうだとわかる時はあらかじめ伝えておくとイライラ防止に効果的です。
この時「○分ほど時間をいただきます」と時間を伝えるだけでなく「○分くらいかかってしまいますがお待ちいただけますか?」というように質問やお願いする形で伝えるとより一層効果があります。
質問や提案に対して患者さんに角煮をして返事をするということは、待つかどうかを患者さんが選択したことになります。
人は選択できる立場、つまり優位に立つことで不満が生じにくくなるのです。
またあらかじめ「○分くらいかかる」とわかれば、その間に買い物や用事を済ませるなど、自分で時間の使い方を考えることができます。
自宅や職場が近いのであれば、一旦自宅や職場に戻ってからあとで受け取りに来るという選択肢も出てきます。
待ち時間の有効利用について考えることは患者さんへの思いやりのあらわしの一つだと思います。
薬剤師のクレーム対応について
患者さんからクレームを受けると動揺してしまって「申し訳ございません」だけを繰り返してしまうことがあります。
患者さんにしてみればただ謝られるだけでは気持ちが収まりません。
何に対して謝罪しているのか、これからどうなるのかをはっきりわかるようにしなければ、帰って二次クレームにつながりかねません。
日頃から「できるまでお待たせしなように努力していますが、お急ぎの際はあらかじめお声がけください」「処方箋は4日間有効です。○曜日のこの時間は毎週混むのですが○曜日は比較的空いていますのでご利用ください」など待ち時間対策についての将来的な提案ができれば改善しようとしてくれているという意思を伝えることができます。