後輩薬剤師が報連相をせずトラブルが起きる。
後輩薬剤師が自発的に仕事をしようとしない。
このような新人薬剤師が自発的に動いてくれないというのは現場ではよくあると思います。
このような場合に大切なのは指導者側が新人に合わせるということです。
新人は悪気があって動いていないのではないのです。
何をどうすればいいか、本当にわかっていないのです。
彼らは心の底から真剣に早く仕事を覚え、先輩たちのように働きたいと思っています。
ただ、その思いが前に出て来ない。
それに加え、わからないことがあっても「叱られるのが怖い」「聞くのが恥ずかしい」というような理由で質問や相談をすること自体を苦手としている新人が多いようにも感じます。
指導する側は知識も技術も経験もある。
相手に合わせて柔軟に動くこともできる。
だとしたら相手に合わせるすべを持っている方が合わせるのが適切な対応だと思います。
今回のケースでいえば報連相の理屈はわかっていても何を報告するのか、なぜ連絡しなければならいのか、いつどうやって相談すればいいのかがわからないという状況かもしれません。
具体的には単に「報告しなさい」と伝えるだけでなく「なぜ報告しなければいけないのか」「報告しないとどうなるのか」「何をどうやってどのタイミングで誰に」というような細かいとこまで丁寧に伝えます。
「そんなことまで説明するの」「わざわざ言わなくても想像できる」というのは教える側の思い込みです。
指導者側の理屈は通用しないと覚悟しましょう。
伝える際は「患者さんに迷惑がかかる」「みんなが困る」というような漠然とした指摘ではなくとにかく具体的に掘り下げます。
在庫がなくなったらすぐに発注しないと次の患者さんに処方が出たら卸さんに急いで持ってきてもらうことになる。
その間、患者さんをお待たせすることになり場合によっては後から薬を取りに来ていただくことになるかもしれない。
患者さんや卸さんに迷惑をかけるし時間も手間もかかって仕事が滞る。
という具合です。
わかりやすい例をあげながらストーリーが見えるように説明すると理解しやすいようです。
上から目線で指導しない
最初から指導した通りにうまくいくとは限りません。
むしろ新人ですから失敗するのは当然と言っていいでしょう。
この時の対応がとても重要で、一歩間違えると新人はいともあっさり心を閉ざしてしまいます。
失敗が分かった時、この前教えたばかりだよね、と上から目線で怒るのではなく私の説明がわかりにくかったのかなと私も悪かった、という姿勢を示しましょう。
指導する側が自分のこととして話すと指導者の気持ちが伝わり「親身になって心配してくれる先輩に迷惑をかけないようにもっと頑張ろう」と思ってくれるようです。
指導する側には根気が必要ですが、状況ごとに繰り返していけば少しずつ理解が深まり自発的な行動も増えてくると思います。